• Wipe the window/2023/45.5x27.5cm/キャンバスにシリコーン(Silicone on canvas)

午居悟 「Elastic Works」展
会期:2024年7月12日(金)〜7月27(土)
会場:タカシソメミヤギャラリー
TEL03-3267-0337
〒112-0014東京都文京区関口1-24-8
http://www.takashisomemiyagallery.com

営業時間:13:00〜18:00
定休日:日曜日、月曜日
最寄駅:東京メトロ 有楽町線 江戸川橋駅徒歩5分
東京メトロ 東西線 早稲田駅 徒歩13分

アートフェア東京での個展以来4年ぶり、弊廊では4回目となる午居悟の個展を開催いたします。

午居が使用する素材はシリコーン(シリコン)です。シリコーンは現在様々な分野で活用されていて私たちの生活に欠かせない素材です。建築資材や医療用の素材としても有名です。使用前はジェル状で簡単に成形できますし色も選べる上、固まる速度を調節することもできます。固まった後は弾力はありますがしっかりした強度を保ち耐久性も非常に高く、幅広い用途で使用されています。

もしキャンバスに絵の具ではなくシリコンで描画した場合2〜3分で硬化が始まり、時間との戦いの始まりとも言えます。画家にとって一発勝負の緊張感が生まれますが、液体が飛び散ったような形状のまま硬化させることも可能で、彫刻作品や油彩画のような重さが消え、厚みに浮遊感や見た目の軽さが際立った作品に仕上がります。また作家の身長や手の大きさ、道具の動きが反映されますので、作家の身体に大きく影響される素材です。

油彩は数百年の耐久性があると言われていますが20世紀に発明されたシリコンの耐久性は未知数です。画家の身体やテクニックを写し取るような素材で、油彩にはない工業的な質感でありながらキャンバスに塗られギャラリーに置かれた瞬間に美術品へと昇華する不思議な感覚を覚えます。ぜひこの機会にご高覧下さい。

作家コメント
「私が作品のメディウムとして使用しているシリコーンゴムは、油彩と比較して硬化が非常に速いため、コントロールが難しい場面があり、そこから発生する偶然性にある種の面白さを感じています。拭き取るという行為を使いながら、偶然性と作為性の間で絵を作っています。」

午居 悟 :