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Tracing the higan/2012
岡村一輝「彼岸をなぞる」展
会期/2012年12月1日(土)~12月28日(金)
<オープニングレセプション12月1日(土)17:00~19:00 作家在廊>
会場/タカシソメミヤギャラリー
TEL03-3267-0337
〒112-0014 東京都文京区関口1-24-8
http://www.takashisomemiyagallery.com
営業時間/13:00~19:00
定休日/日、月、祝日
最寄り駅/東京メトロ 江戸川橋駅 (1a出口) 徒歩5分
*企画展以外の営業時間につきましてはお問い合わせ下さい。
この度タカシソメミヤギャラリーでは岡村一輝の「彼岸をなぞる」展を開催致します。
岡村には福島に親戚がおり、なかには原発5km圏内に住む親戚もいました。そしてその親戚の疎開と同居を機にいろいろな形で震災以後の社会と関わるようになります。その際に記録のように撮られたデジタルカメラの写真を素材にデジタル上でドローイングを加えるという手法で平面作品を展開していきます。その後作品は映像等にも発展していきましたが、それらは全て「なぞる」という行為に基づかれています。なぞるという行為を通じて岡村は自らの生きている時代の中の現在地を確認すると同時に、観客にもその現在地も問うてきます。そしてそこから見える景色を残したいと言います。今回の展示は本人にとっても大きな転換になったという作品です。
是非この機会にご高覧くださいますようお願い申し上げます。
■作家コメント■
2011年3月11日以降、東北各地で撮った画像や動画をもとに「なぞる」という行為を通してつくられた作品の展示です。なぞる行為は目の前の圧倒的な現実をどうにか消化する感覚に近いように感じます。と同時に今という現在地が、どの時代のどの国のどのような生き方かということに焦点をあてる行為でもあります。あの日以来皮肉なことにその焦点を合わすことが容易になりました。目の前に起きる現実に圧倒されつつも少しずつ消化し、その焦点を目安に作品をつくってきました。しかしそこにいた死者や過去を思うことは焦点という局地的な視野には収まりきれないようにも感じます。それは時間という線と現在という点をなぞりつつ眺めた大きな景色かもしれません。そのとき垣間みた景色をひとまず「彼岸」と呼び、決して忘れたくないものとして考えています。